「あの角を曲がったら
もう赤の他人になるんだね」
晩秋っぽい別れの曲です.
解説
空色の色言葉「感性,芸術性」2より,
「僕」の人生を絵に,「君」をスカイブルーの絵具に見立てています.
「これまで一緒に過ごしてきた季節は
気づけばいつしかモノトーンになっていた」
はじめのうちは新鮮な「君」との時間でしたが,
いつしかそれも単調で代わり映えしないものになってしまいます(いわゆる「マンネリズム」).
なお,モノトーンはイラスト等デザインの分野においては,
「同系統の色の濃淡のみで構成されたもの3」を指します.
「「二人のためにも別れよう」と君に言った
青いピアスが揺れてる」
このまま関係を続けることを良くないと考えた「僕」は「君」と別れる決断をします.
「僕」の目に留まる「青いピアス」は青系色の「モノトーン」を象徴する描写です.
この部分に限らず,本作では色に関係する描写を多用しました.
(「青いピアス」に対する「赤の他人」の対比,「セピア色」や「鈍色」に対する「ネオン」の対比)
これらは,この関係を終えることによって他の色に気付くようになった「僕」の心情的な変化を表現しています.
「僕」は「スカイブルー」に漂い始めたマンネリズムの気配を振り払うように,
出会った頃と変わらず「君」を好きであろうと余所見をせずに過ごし続けてきたのかもしれません.
「動き始めた場面の奥に君が消えてゆく
背景の中 じわりじわり混ざり合って溶ける」
「君」との思い出が上書きされるように,
「スカイブルー」の色は「僕」の絵の下地として他の色と混ざって埋もれていきます.
「かすかに残る優しい色が胸を焦がすけど
まだ好きと言えるうちに スカイブルーにさよなら」
しかし,これまでの人生の何分の一かを共に過ごしてきた「君」との思い出は,
時間を経るにつれて他の思い出と混ざってしまうことはあっても完全に消えることはありません.
かすかに残ったスカイブルーの色に「僕」は葛藤するのでした.
ちなみにスカイブルーの色言葉は「深慮遠謀」4,
遠い未来を見越して深く考えを巡らせるという意味です.
曲中では「僕」の決断が「君」と話し合った上での結果だったのかどうかは分かりませんが,
将来を思って2人が納得した上で決めたことであれば,
どんな選択であれきっとお互いにとってプラスになるはずです.
歌詞
気づけばいつしかモノトーンになっていた
「二人のためにも別れよう」と君に言った
青いピアスが揺れてる
あの角を曲がったら
もう赤の他人になるんだね
動き始めた場面の奥に君が消えてゆく
背景の中 じわりじわり混ざり合って溶ける
かすかに残る優しい色が胸を焦がすけど
まだ好きと言えるうちに スカイブルーにさよなら
今まで一緒に重ねてきた時間は
気づけばいつかはセピア色になるのかな
「二人のためにも仕方ない」と呟いても
鈍色の空 晴れない
立ち尽くす僕を照らした
街のネオンは滲んでいった
動き始めた場面の奥に君が消えてゆく
背景の中 じわりじわり混ざり合って溶ける
かすかに残る優しい色が胸を焦がすけど
まだ好きと言えるうちに 僕が幕を閉じるよ
愁いを帯びた愛しい色にそっと背を向けて
また歩き出せる様に スカイブルーにさよなら