「見破ってよ ねぇ
“私”に成り済ました”サクラ”を」
恋する天邪鬼な女の子の歌です.
Shillとは「おとり,サクラ」のことを指します.
好きな人の前では素直になれない”私”を「サクラ」に見立て,
「本当の”私”に気付いて欲しい」という”私”の心情を描写しています.
「サクラ」というのは「偽客」とも書くように,
本来は客に扮して芝居の雰囲気を盛り上げたり露店の商品価値を高く見せかけたりするものであり,
自らの利益になるような行動が根底にあります.
一方,素直な自分を出せない作中の”私”は客観的に見ると不利益しかなさそうに見えます.
しかし,「冷めた態度」や「雑な言葉」は恋愛における「試し行動」の一環であり,
“私”にとっては,好きな人が自分をどこまで受け入れてもらえるかを確認できるという「利益」があるのかもしれません.
「サクラ」も恋愛における「試し行動」も度が過ぎると評価が反転してしまうのもまた同じです.
それでもあえて「嘘で隠して」しまうのは,
やはりその商品に,あるいは自分に自信がないことの表れなのでしょう.
歌詞
過去? 未来?
沢山の曖昧な自分
またひとつ、増えていく
好き? 嫌い?
そんな事は解ってるのに
でも素直になれないままで
何が本当の事で
どれが嘘(フェイク)なのか
咲いた本当の気持ち
きっと君は知らない
気が付いてよ ねぇ
冷めた態度の裏側の”私”にも
振り向いてよ ねぇ
“私”も見て欲しいの。
そして 抱きしめてよ ねぇ
嘘に染まった私の心さえも
見破ってよ ねぇ
“私”に成り済ました”サクラ”を
見せたくない自分はずっと溜めればいい
――でも、いつか満ちて溢れてしまう
「もし全て受け入れてくれるなら」
…とか そんなの理想でしかない
ずっと隠し通すの?
全部曝け出すの?
そんな勇気も無くて
きっと今日も半端なまま
…もどかしいのよ
気が付いてよ ねぇ
雑な言葉に隠された”ホンネ”にも
振り向いてよ ねぇ
隣に居て欲しいの。
そして 抱きしめてよ ねぇ
嘘で隠した私の中身全て
見破ってよ ねぇ
“私”に成り済ました”サクラ”を
“私”を見て欲しいの…